違う物語の猿と蟹と作者

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違う物語の猿と蟹と作者

猿は黙って抱え込む 自分で対処できるならいいけれど 黙ったままだとわからない 言ってくれれば受け入れるのに 蟹は静かに泣いている 柿を投げられ、身体を壊す それでもいいのだ 猿が幸せになるならいいのだ 話してくれないことが悲しいのだ たとえ僕が死んだって 猿は生きていくだろうけど その人生に関われないことが悲しいのだ まるで見えていないみたいで 無かったことになるのが怖いのだ 復讐をすると僕に言う 勝手に盛り上がって 僕の気持ちはどこにいく 川に流されどんぶらこ なになに物語が違うって? そりゃそうだ 物語が違うから関われないんだ 物語は語ってくれなければわからない 物語は見せてくれないとわからない 物語をつなぎ合わせて 絆を今日も確かめ合う 手と手をつなぐハッピーエンド なってくれたら僕は嬉しい
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