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正世が働くスーパーは比較的大きな店舗のため、パンの発注担当者さんは大変だ。パンは食品部全体の売り上げを大きく左右する重要な食品である。日本の食文化は変わった。パンは手軽に食べられる便利な食品で日常になくてはならないものとなっている。
正世が小、中学生だった頃、給食は八割がたパンだった。日本人なのにご飯が出てくる日は珍しかった。私の小中学生時代からでさえそうなのだから、パンの発注担当者さんは大変だ。常に過去分析しながら発注をかけている。パンは賞味期限が短く、二日、長くて三日程度だから値下げになりやすい商品である。食パンひとつとってもメーカーは皆さんご承知のとおり様々だ。それぞれに四枚切り、五枚切り、六枚切り、八枚切りがある。食パンだけで二十品目くらい発注しなければならない。その他に総菜パン、菓子パンもある。気の遠くなるような品目の発注数だ。その膨大な品目の適正数量は曜日、天気、近隣の学校イベントによっても異なってくるため頭脳戦となるのだ。
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