一人目 食人“マニア”

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一人一人、ゆっくりと顔を見ていく。みんな同じ表情をしている。怯えた顔だ。 「……次、騒いだら、“また、犠牲者”が出るからな。わかったな?」 コクコクと、四人は首を振り落とす。俺は、空になった皿を持って、地下室を出た。 重たい扉を閉めて、鍵を閉めた。 「ふふふっ……。あの顔、本当に最高だな……ふひっ」 俺が暮らしている場所は、寂れた洋館で日々を過ごしていた。元々は、研究家だった父の別荘だったが数年前に他界した。死因は不明だけど……。 父が亡くなった後すぐに、俺が新しい所有者となり今現在使っているって訳だ。 それに、俺も端くれだが“研究者”でもある。でも、俺が研究しているのはーーーー ゴーン、ゴーン、ゴーン 自室で昔の資料を読んでいる時、部屋の隅にある古い柱時計が鳴り出した。時刻は、午後九時を指していた。 俺は分厚い本を閉じ、地下室へと向かう。 地下室へ行く前にキッチンに立ち寄り、四つのコップに水を注いで、地下室へと足を運んだ。あ、地下室に行く前に、“大事な道具”も隠し持って行こう。 地下室の扉を開けて、電気をつけた。 四人の子どもたちが、部屋の隅で寄せ合って暖をとっていた。みんな疲れ切ったのか寝ている。目元には涙の跡が残っていた。 俺は、何もない地下室の床に淹れてきた水を置き、そしてーーーー 「ギャアアア!?」 一番小さい男の子の右腕をぶった切った。 地下室に行く前に持って来た、鉈でだ。 男の子の悲鳴に周りの子たちも、何ごとかと目を覚ましていく。男の子の隣で寝ていた年上の男の子が、顔面蒼白になっていた。 そりゃあ、そうだろう。さっきまで寝ていた男の子の腕が床に落ちているのだから。
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