四人目 ×××

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牧野の問いかけに頭がフリーズを起こした。すぐに、春風がカジノに帰っていないという話しを理解した、と、同時に焦り出した。 もしかしたら、警察と手を組んでいる可能性があるかもしれない。 もしかしたら、もうすぐ側まで来ているかもしれない……。 そんな、最悪な想定が頭をよぎる。 『おい、聞こえないのか?』 「……」 ここは、大人しくシラを切るしかない。そのあとは、なんとかなる! 「すいません。春風さんのことですよね」 『そうです。春風のこと何か知りませんか?』 俺は、ワザと間を開けてから「分からないです」と答えた。 『……そうですか。分かりました。では、失礼します』 通話が切れた。通話が切れた途端に、一気に脱力感と冷や汗が出た。 「はぁ……。免れたのか?」 なんだか、疲れたな……。 俺はそのまま、コンクリの壁を背にして寝に落ちた。幸いまだ暖かい季節でよかった。 翌朝、眩しい日差しと共に目を覚ました。こんなに早く起きたのは小学生ぶりだろう。 俺は、そっと高架下の陰から辺りを見渡す。人の気配はない。 「これから、どうするか……」 もう、アパートには戻れないし、下手をすれば警察がいるかもしれない。それよりも、春風が車の中で死んでいるって知るかもしれない。 「……はぁ」 どうして、あの時殴ってしまったのかな?? 「殺すつもりはなかったのに……」
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