一人目 食人“マニア”

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一人目 食人“マニア”

なあ、知っているか? 何百年もの前、食材が不足していた時期があったって話し。 その時期は、中々作物が育たず、挙句に水不足でみんな飢え死に寸前だったんだって。 それでも、どうにかして食料を調達するも、すぐに底をついてしまう。 それで、このあとどうなったと思う?? ーーーー“新鮮な肉”の奪い合いが開始したんだ。 ☆ ☆ ☆ ☆ 「なあ、どうだい? 初めて食す“肉”の感想は?」 俺は、冷たいコンクリの床に座っている、四人の子どもにそう言った。四人共、一つの皿に盛り付けられた、焼いた肉を嫌々食べている。いや、強制的に食べさせられていた。 四人中一人は女の子で、あとの三人は男の子だ。 女の子は、泣きながら肉に食らいついていた。 「なあ」 俺は、泣いている女の子に声をかける。女の子の肩が恐怖で震えた。 「肉、美味いか?」 「……」 「美味いかって、聞いてるんだけど?」 「……お、おい、しいです」 怯えた目が俺を捉える。俺は、「そっか」とだけ言って、四人の食事風景を観賞した。 四人が肉をすべて平らげると、俺は座っていた椅子から立ち上がり、四人の前まで行く。 四人は、放心状態みたいになっていた。目に生気がない。 「おーい、生きてるか?」 「……て」 「ん?」 男の子の中で、一番年下っぽい子が口を開いた。 「おねがい! もう、おうちに帰らせて!!」 まだ、声変わりを迎えていない、高い声が“地下室”に響き渡る。男の子の懇願につられてか、残りの三人も次々に懇願してくる。 「帰りたい! 帰してください!」 「ひっく、パパとママにあいたいよぉ……」 「帰らせろよ!!」 「帰りたい、帰りたい!」 「……うるせぇよ」 ピタッと、うるさい声が止んだ。
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