二人目 狂愛(ストーカー)

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二人目 狂愛(ストーカー)

毎日、同じ深夜の時間に電話が鳴り響く。着信相手は非通知で、誰だか分からなかった。だけど、これだけは言える。 「誰か、この地獄から助けてくれ!」 〈一ヶ月前〉 いつもと変わらない日々、いつもと変わらない学校への通学路。俺は颯爽と自転車のペダルを漕いでいた。時々、徒歩で学校へ向かう生徒を追い越しながらだ。 学校に着くと、駐輪場に自転車を置いて、鍵をかけて、校舎へと向かった。 「おっはよー! 坂井!」 背後から声をかけてきたのは、同じクラスの三好だ。 「おはよう、三好。今日は遅刻じゃないんだな」 俺が茶化すように言うと、「遅刻しない時だって、ありますー」とプクッとふくれっ面で返してきた。なんとも、可愛くのない顔だろう。 俺と三好は、玄関に入り、下駄箱で靴を履き替えてた。自分たちの教室がある、二階へと階段を上がって行く。 「それでさー、坂井、アイツの飯がすっごい不味くてさーマジびっくりだわ!」 三好は、同居している彼女の愚痴をこぼしていた。どうやら、彼女の手料理が壊滅的に(言い過ぎだが)不味いそうだ。 もし、俺にも彼女が出来たら、ご飯が美味しい子がいい。 「もう、料理ができない女なんて致命的だろ? 別れようかな……」 三好の最低な言葉に、三好の彼女は報われないな。 「酷い男だな」
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