虹色蝶々

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虹色蝶々

 彼と別れたのは、初春のまだ肌寒い季節だった。  出会ったのはただの偶然で、たまたま間違えて入ったカラオケボックスの一室だった。  その時、彼はまだ他の女の人と付き合っていた。  でも、私はそのことを知らず。連絡先を聞いてしまったんだ。  それが間違いの始まり。  私達との付き合いと同時に、彼は他の女の人とも関係を続けていた。  知っているのは、私と彼だけ。だから口止めをされていた。  どうして自分だけ、こんなに辛い思いをしなければいけないんだろう。  友人に相談しても「別れるしかない」とか「別の人を探した方がいい」って意見ばかりだ。  私は別れたくない。できれば彼を独り占めしたい。  それが叶わないのなら……。  ※※※ 「どうした、浮かない顔をして」
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