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常識的に考えると、「そんな馬鹿な」と笑われてしまうような話を透魔さんとしている私。
だけど、自分自身が猫関係の特異体質であり、銀之助が人語を話すところもこの目で見ているので、すんなりと受け入れられた。
テーブルについた透魔さんの眼前にちょこんと座った銀之助は、時々「まあ、そうだ」とか「うむ」とか、尊大な口調で相槌を打っていた。
「あれ。でも透魔さんは?」
「はい?」
「透魔さんは銀之助とはどんな関係なんですか? だってーー」
人間ですよね? と、言いかけたのだが。
「ああ。私も猫又なんですよ。今は人間に化けているだけです」
「え、えええええ!」
事も無げにとんでもないことを言うので、驚きの声を漏らしてしまう。
「そ、そうだったんですか……⁉」
「はい。あ、気づきませんでしたか? 僕の変化の腕もなかなかですねー」
いや、だって普通は猫が人間に化けているなんて考えもしないでしょう。
だけど、透魔さんの鋭く綺麗な瞳や、神秘的なオーラ、絶世の美男子ぶりは、確かに浮世離れしている。妖怪ぽいっと言われれば、妖怪っぽいような……? いや、妖怪っぽいってなんだ。
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