第二章 アンチミサイル防衛同盟

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御室山へ続く 林道内の細い道 木々に隠れてよくは見えなかったが 人が一人倒れています 迷彩柄の制服姿から どうも防衛隊員のようだが? 御影石 エアーカーより飛び降りて そこへ近づき 様子を窺えば  ヘルメットはなく 頭部には角が折れた形跡が見てとれて 「久城教授 それに 鶴見さん 彼は あの粉で化け物になったのを誰かに角を折られて昏倒してるようです 起こしてみましょうか?」と その隊員を抱きかかえようとした その時でした いきなり 地面より 硬製鉄網の罠が 競り上がって来て 御影石 高速移動でなんとか脱出したものの おお  少し離れた位地に停車中だった エアーカーがものの見事に硬製鉄網の餌食に と言っても エアーカーを下から 鉄の網が囲むように そうです 人間や動物なら きっと 木の中程まで持ち上げられているのでしょうが  さすがに エアーカーを持ち上げる力はないようで 「こらぁ 鳥の巣仮面 おまいさんだけ逃げるってなんじゃそりゃ」と久城教授のどなり声が響くも 御影石 辺りに気を配っていたかと思えば  「石ぃくん 左て 二人いるぅ~!」と 鶴見記者の声が 先程感じた違和感の正体を見定めて 一気に加速しては その木陰にいた村人の青年らしき二人を捕まえました。 硬製鉄網を切って 縄にしては 二人を縛ります  エアーカーを網から出してる間中騒ぐ二人 「離せぇ 防衛隊の手下め」 「たとえ捕まっても 絶対仲間のことは言わんぞぉ」と 二人変わるがわる 喚いているのをきいた 久城教授  「おいおい わしらは青森行政域防衛隊のもんでも手下でもないわ わしは みちのく文化大学の民俗学教授 久城 そいつはまあ 助手の御影石 そしてこちらは ルポライターの名前なんじゃったっけ?」 「私は 鶴見と申します あなた方は もしや 山背郷村の奥林の方達では?」 「んにゃ わたしらは確かにそうじゃが ならば 敵ではないって事かい」 「おいおいそこの鳥の巣みたいな人 この縄解いてくれんかのぉ」 「御影石です っつうか 縄解いて暴れても 今度は気絶させちゃうからな」 など 物騒な冗談を飛ばしつつ 彼らの縄をほどき 話を聞くことになりました
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