序章 秘薬=飛躍?

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真夏の日差しもようやく 夕方を過ぎて 心地よい風が 堀り続ける調査地点の穴へと流れ込んで来る 発掘調査員の人たち また 御影石くんと同じバイトたちも つかの間の 涼を味わっていると 調査隊を指揮するおっさん(いやいや学芸員さんですが) 「今日はこの辺で終了いたします 各自 作業で使用した道具の点検お願いします」のありがたい言葉が穴の中へと届き 皆 ひと安心したような バイトリーダーと言うか 峰岸(みねぎし)くん(彼はみちのく文化大の院生) 日焼けした顔を 皆に向けて「よっしゃ 終わるかぁ」と威勢よい言葉がけをしました がっしり体型で上背もあり リーダーになるべくして成ったようなやつだが? (実際 彼は成績も優秀との噂) 「石ぃ~‼ 最後はお前さん いつも通り 道具点検なぁ よろしくぅ」と 御影石くんに面倒を押し付けては さっさと 穴から去って行きました 他のバイト仲間や院生たちも 「あとよろしくなぁ」 「頼むぞぉ 石ぃ」と いやはや なんだか 御影石くん 作者の私からしても 気の毒に思えてきたが 当の、「石。」こと御影石 己龍くん 他の連中に利用されてるとか 考えないのか?  特に不満を持つわけでもなく 黙々と 皆が散らかしていった 道具の点検をこなしていきます
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