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プレハブの扉を叩いていたのは うら若き女性 眼鏡掛けた小柄な ショートカットのよく似合う 美女でした
「私 山背郷村から 逃げて来ました 助けて下さい 仲間が 仲間のカメラマンが 一人ぃ」と言っては はあはあと息をつまらせ 過呼吸状態に
すぐさま プレハブ内へと運び入れて 休ませます
「間宮教授 久城教授 山背郷村って この先にある集落ですよね いったいそこで何が起きたんでしょうか?」
気を失ってしまった 女性をソファに横にならせ 間宮教授
「これは調査行かねばならんかのぉ? 久城くん どう思う?」
「いやいや わしらじゃ無理でしょう 現在動けるのは三名 そして その二人が 五十メートル走るのに はあはあ息が切れちゃうようなわしら二人じゃぞ 唯一動けるのがそこの なんだっけ?石原くんだったかな?」
「いやいや 久城教授 僕は御影石です それなら 僕がひとっ走り様子見てきましょうか?」
「本来ならそうすべきじゃが もしも ここにいる連中が気を取り戻してもまだ 野生化したままだったら 危険じゃしなあ」
あっ そこで 御影石 思い出しました 「お二方 これを見てください」と取り出したのは あの大地から突き出ていた緑色に輝く勾玉らしき石でした
「これ あのぉ粉が降ってきて峰岸さんたちが暴れだす直前に僕が拾った石なんですけど 不思議なことに 緑色に輝いたり はたまた なんか 頭の中に話しかけて来たんですよ これは。。。。。?」
一瞬 二人の教授目を合わせては 頷きあい
「こいつは勾玉かぁ」
「間宮くん 例の御霊石じゃないかねぇ 形も魂と言うか胎児のような姿をしているし」
「いやしかし あれは伝説上 と言うか民間信仰からの言い伝えではなかったのか?」
「石原くん。。。。。ああ違った 御影石くん この石が話しかけてきたと言ったが それは本当かね?。。。。。」
との質問をした その時
気を失っていた女性が ふっーっと起き上がって
「ああ 早く戻らないと 本牧くんが危ない 」と言っては 辺りを見回して 自分が窮地を脱したことに気がつき 「ここは? あなた方は?」と矢継ぎ早に質問を開始します
「ってお嬢さん 一辺にいろいろ訊かれてはのぉ わしらはみちのく文化大学の者で わしは 考古学の間宮 こちらが 民俗学の久城教授 それでそこらに転がっているんはな 故あってそこの御影石くんが気を失わせてもんだな ああそうそう 彼らはすぐそこの遺跡発掘隊の隊員たちだ」
「あのぉ 故あってってもしや 急に彼ら暴れ出したのでは? 角が生えて。。。。。」
「はい そうですが あなたはいったい どちら様で? 何から逃げて来たんでしょうか?」と今度は 御影石の質問が続きます
「ああ すいません 自己紹介遅れました 私 東北区通信の記者の鶴見 美嶺(つるみ みれい)と申します 青森域の古代宗教を追うと言う記事の取材で 山背郷村を訪れていました」
「ほぉ そいつは奇遇じゃな この久城くんも そのぉ 摩吽烏について今 調査しておるところじゃが」
「ええ 摩吽烏についてお調べになってるンですかぁ これは偶然にしては 確かに ああ それよりも 私達と言っても 記者の私鶴見とカメラマンの本牧って言うのが二人だけですが 村の神社の取材を行っている時 急に村人たちが狂ったように暴れ出して 私達にも襲いかかって来たんです」
と 山背郷村で起こったことを やはり記者らしく順序立てつつ簡潔に話してくれて
ではこの後 どうすればよいのか?
話し合いが始まります
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