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俺は熱くなった頬を触り、身体の変化に戸惑う
「あの人は俺に何を飲ましたんだ…っ最悪だ…」
身体の疼きと共に息が上がる
手を強く握り締め、冷静を保つ
自身の弱々しい姿を見せるのは嫌だし、あの人
の思い通りにはなりたくない
俺はあの人の部屋の前に来ると、ゆっくりと深呼吸をしてから
「新聞とコーヒーをお持ちしました」
「入れ」
あの人は一瞬俺に視線を向けると、すぐにパソコンでの作業に戻る
新聞とコーヒーを置き部屋を出ようとすると
「おい、側に立っていろ」
あの人を睨んでみたが指でこちらに立つように指示を出され、渋々従う
あの人は淡々と仕事をこなしていく
あの人の涼しげな顔に対して
俺はうっすらと汗をかき、蝶ネクタイの締め付けが苦しい
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