新しい主人

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俺を押し付ける力が弱くなったあの人から 逃れようと身体を動かすと 「ぅぐ」 先程よりも強く机に押し付けられた あの人は机から書類を荒々しく出すと 俺の目の前に置き、無理やりペンを握らせた 「さぁ名前を書け」 あの人はペンを握った俺の手を掴み、強引に名前を書かしていく あの人の爪が食い込んで痛い 「嫌だ、やめっ」 ぶれながらも一文字、一文字 書かされていった 名前を書き終えると あの人は満足したかのように書類を 金庫にしまってしまった そして 「あの書類が俺の元にある限り お前に自由はない 明日は7時に俺を起こしにこい」 そう言い残し出ていった 今までの出来事に頭がついていかない 俺は床に座り込んで固まってしまった 手には爪の痕が残っている 俺は手を擦りながらあの人のことを思いだし 身体を震わした
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