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赤くなった顔を見られたくなくて、明から逃げるように歩きだすと、
「藍っ」
名前を呼ばれたので振り返ると、明に引き寄せられる
そして、優しく抱き締められ
「ありがとう、すごく楽しみにしてる」
と明らしくない上擦った声で言われる
「っ、もうパーティーが始まります」
「…よし、行くか」
明は俺から離れると、先程までの怠そうな顔が嘘のように生気に溢れていきいきをしていた
誕生日パーティーは屋敷内で小規模だが、招待客は著名な方が多く豪華だ
そのような中でも物怖じせずに優雅な明の姿に、見とれてしまう
「明、かっこいいな」
声が漏れた口を慌てて押さえて、仕事に戻る
パーティーは大きな問題もなく、無事に終わりを迎えた
何度か明に呼ばれたが、二人とも忙しかったのでいつもより離れている時間の方が長かった
片付け等が終わったのは日付けが変わるギリギリだった
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