新しい主人

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水をタオルで拭いながら、怒りを収めようとするがどんどん沸き上がってくる 「ぁー」  タオルを口に当て声を出さないように叫ぶと 少しスッキリしたのか、平常心が戻ってきた  着替えを持っていくと あの人はベッドの横に立ち両手を開き「着替えさせろ」そう言った 「はい?」 あの人がそのようなことを言うとは思わなくて驚きのあまり、聞き返してしまった 着替えを待つ姿が小さな子供のようで少し可愛く思えてしまった 「早くしろ」 あの人の急かす声で俺はぎこちなく動き出し、パジャマのボタンを一つずつ外していく あの人の身体は程よく筋肉が付いていて逞しい 男の俺でさえ見惚れてしまった 視線を感じて顔を上げると あの人の熱い視線に捕らわれてしまった 恥ずかしくなって目を逸らそうとすると 顎を捕まれ 「俺の身体を見て欲情したのか、藍」 名前を呼ばれドキッとしてしまった 俺が目を見開き驚いていると あの人の顔が目の前に迫る 「ちょっ、な」 抵抗するよりもあの人の行動の方が早かった あの人の唇が俺に重なったかと思うと 口内に生暖かい舌が侵入する
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