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息を弾ませながら浩子が到着した時
コウとの約束の時間はほんの少しだけ
過ぎていた。
「もう来てるかな?」
息を切らしながら浩子は辺りを見回した。
が、これまでなら必ず自分より先に着いて
店の前で待っているはずのコウの姿は
そこにはなかった。
「あれ?アイツ何やってんだろ?」
仕方なく浩子は店の前に自転車を停め
30分ばかりそこで待った
が、コウは一向に現れない。
11月の寒空の下
これ以上待つわけにもいかないので
浩子は一人店内へと入った。
以前二人で来た時と同じ窓際の席から
コウが来るのを待つが
全く現れる気配はない。
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