19. 孤独

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1時間、2時間… 待てども待てどもコウはここには来なかった。 「嫌われちゃったかな?それとも…『バレた』のかな?」 ふさぎこんだ表情で浩子は 店を出る決心をした。 「結局、誕生日ってこんな・・・だよね」 ふと独り言を洩らした浩子の目から 大粒の涙がこぼれた。 「アタシはきっと幸せになっちゃいけないんだ」 気が付けば浩子はあの日 コウに送ってもらった土手の上に来ていた。 「あいつなら…タカムラなら、全部信じても大丈夫だって思ってたのに」 もう帰ることしか 浩子に選択肢は残されていなかった。 涙で頬を濡らしながら歩く浩子の その少し向こうを コウは気づかずに浩子を探しながら 全速力で走り抜けて行った。 こうして同じ場所に辿り着きながら すれ違った二人は この日、会うことはなかった。
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