20. 掛け橋

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小学校6年以来同じクラスになった 浩子と美月 二人には誰にも話していない過去があった、 そして他にこの「事件」を知っていたのは 由里だけだった。 「浩子、これでやっと穏やかに生活できるね」 「もうほんとに悪夢だったよ、何が悲しくて、ねえ」 「美月のおかげだよね」 「ううん、私は何も…」 「で、さ…この前話してた美月が気になる人って?」 由里はいつでもこの手の話題が好きだ。 「え、言えないよ」 「アタシが素行調査してあげるよ、また厄介なのに引っ掛かってもいけないし…ね」 「じゃあ…お願いしよっかな、浩子に」 その名を聞いて驚いたのは由里だった。 「えー!高村くん!」 「しーっ!聞こえちゃうよ!」 「誰?高村って」 「そうか、浩子は知らないんだ、私らは去年から同じクラスだったから」 「へぇ?そうなんだ、どの人?」 美月と由里が二つ隣の席を指差す、 浩子の斜め前の席に座っていたのが… コウだった。 服装は明らかに校則に違反している、 髪色も少し明るい 見るからに真面目とは言えないその風貌に 浩子は嫌な予感がした。 「マジで?ヤバいじゃん、どう見ても…ヤバいヤツじゃない?」 浩子は小声で二人に告げた。
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