02. NEXT GIRLS

3/6
43人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
可愛いか、そうでもないかのポイントは 人それぞれだと思うが 浩子は客観的に見ても容姿端麗なタイプ、 だと僕は思っている。 マドンナと呼ばれている由美子に 僕がさほど魅かれないのと同様 あくまでも好みは僕の主観ではあるのだが まるで少女漫画の1ページから 飛び出してきたような 浩子の大きな瞳でまじまじと見つめられると 思わず言葉を失うほどだった。 ただあまりにも無表情な上に 感情が表に出ないので近寄り難くはあった 男子の間でもそれほど評判は高くない。 プリントを後ろの席に回す時 手だけを後ろ向きにして渡そうとしても 絶対に受け取らない。 僕が振り返って浩子の机の上に置いて 初めてそれを無言で手に取る。 僕の消しゴムが浩子の前に落ちても 決して拾ってはくれない。 女子の足元に落ちた消しゴムを拾いに行くほど 僕も無神経ではないので 授業が終わってからこそこそと拾いに行く。 一番厄介なのが浩子は授業中 必ずと言っていいほど 僕の椅子の後部に足を乗せるのだ。 高さ的に一番ポジションがいいのだろうか? そこにがっしりと足を置かれると 僕は前後左右に身動きひとつ取れなくなる。 実際は文句のひとつも言いたいところだが そんな事で女子にクレームを入れるのは 何だか大人げないと泣き寝入りしていた。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!