22. 安堵

5/9

42人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
「…それで?」 「ごめん、こんな理由だって知って もっと怒らせたかもだけど…本当にごめん」 「うん、わかった」 「わかった?」 「うん」 「いや、『わかった』って言われても…」 「ほんとは…」 「うん」 「知ってた」 浩子からの意外な答えに僕は返す言葉を失った。 「え?知ってたって?何で来なかったのかを?」 「由里から…聞いた」 「ゆり姉?…あ、そうか!」 僕はあの日、由里と話したことなど あまりのショックで 記憶から消えかけていた。 「そう、だから…ホントは知ってたんだ」 「何だよそれ…」 「怒った?」 「じゃなくてさ」 「え?」 「よかった…聞いてたんだゆり姉から」 その時、胸のつかえが全て取れた気がした。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加