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この日、話しかけてきたのは
意外にも美月の方からだった。
「音楽の授業で、ギターの時があったよね」
「あ、1年の3学期くらいだった?」
「高村くんを見て私も上手く弾けたらいいのにな、って思って」
「授業で使ってたのはクラシックギターだったから、慣れないと弾くのはちょっと難しいよね」
「私もバンドとか好きなんだ。聴くだけなんだけど」
「え…そうなの?意外だな」
「ふふっ…でしょ」
美月と同じ趣味嗜好があるとは驚きだった。
共通の話題がある、と言う点では
浩子と同様に話が弾んでもおかしくないことに
今日初めて気づいた。
現にこの日、掃除が終わっても
しばらく美月と話し込んでしまい
危うく5時間目の始業に遅れるところだった。
放課後になってもまだ美月と会話した
心地よい余韻が残ったままだった。
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