23. 12月…街は

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この日、話しかけてきたのは 意外にも美月の方からだった。 「音楽の授業で、ギターの時があったよね」 「あ、1年の3学期くらいだった?」 「高村くんを見て私も上手く弾けたらいいのにな、って思って」 「授業で使ってたのはクラシックギターだったから、慣れないと弾くのはちょっと難しいよね」 「私もバンドとか好きなんだ。聴くだけなんだけど」 「え…そうなの?意外だな」 「ふふっ…でしょ」 美月と同じ趣味嗜好があるとは驚きだった。 共通の話題がある、と言う点では 浩子と同様に話が弾んでもおかしくないことに 今日初めて気づいた。 現にこの日、掃除が終わっても しばらく美月と話し込んでしまい 危うく5時間目の始業に遅れるところだった。 放課後になってもまだ美月と会話した 心地よい余韻が残ったままだった。
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