24. 笑顔が

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「今日、晩ご飯いらないから」 「あら、今年のイブはお出かけ?」 「ちょっとね」 「浩子、2年になってから随分楽しそうね、美月ちゃんと久しぶりに同じクラスになれたから? それとも何か他にも?」 「確かに楽しいけど…そ、そんなことないよ…」 「隠してもお母さんにはわかるんだから」 「何にも隠してないよ」 「もしかして好きな人、できたとか?」 「もう!そんなんじゃないってば、行ってきまーす」 母親との会話の後、玄関を出た浩子は やや赤面しながらもその表情はほころんでいた。 「これが二人で出掛けるの最後になるのかな?」 タカムラのせいで何回も泣いた キライだからじゃない、のはわかってる。 でも… アイツはアタシの「事情」なんて 知らないんだから 今日だけでも自分の気持ちに素直になろう。 これまでみたいにつまらない意地を張ったり 過去に縛られたりしない そして美月のことも… 何も考えずにとことん楽しもう、 浩子はそう決めていた。 でも、それで前よりも もっとこの気持ちが大きくなってしまったら… あぁ、アタシ どうすればいいんだろ?
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