24. 笑顔が

3/4

42人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
仮に今日が タカムラと出かける最後の日になったとして この先、こんな気持ちを埋めてくれる そんな何かが現れるだろうか? 今よりもっと楽しい、笑える事なんて あるだろうか? その時はその時…また考えよう。 そうポジティブに考えるだけで 何か見える景色も変わってくる気がする。 今日は何も考えずに タカムラと一緒に同じ時間を過ごそう その思い出だけで しばらくは生きていける… そんな結論が出た途端、 浩子は自分でも気づかないうちに 笑顔になっていた。 「おはよう、どしたの?めちゃめちゃ笑顔だけど?」 「え…?」 不意に声をかけられた、声の主はコウだった。 「わ、笑ってなんかないよ、バカ!」 「そう?」 「アタシはいつもこんな顔なの」 「そっか、笑っててかわいいなって思ったんだけど」 「え?…な、何言ってんの?バカ!アタシはいつでも…」 「今日、楽しみだね」 「べ、別に…ま、まぁちょっとお腹はすいてるけど」 「まだ朝だよ」 「わ、わかってるわよ!」 「じゃ、また教室で」 「バーカ!」 ダメだ、やっぱりアタシは無理して笑うよりも これまでのアタシのままでいいみたい。 きっと、タカムラもそうだよね。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加