25. 赦免

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「さ、早く行こうよ」 「え?ここから一緒に?」 「そ」 いつもなら現地集合なのに今日の浩子は 一緒に教室を出ようと言い出した。 よほどご機嫌なんだろう、僕はそう思った。 これまでなら何か勘ぐられることを 気にしてばかりだった浩子から そう言う感覚がなくなってきたのは もしかしたら今や僕と浩子は知らない間に クラスで公認になっているのでは? そんな雰囲気すら漂っていた、 それはそれで悪くない、僕としては。 浩子もそうなのだろうか? とは言え、さほど必要以上に 周囲を気にする素振りは見せず 二人して教室を後にした。 今にも泣き出しそうだった冬の空は こらえきれずぽつぽつと小雨を降らし始めた。
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