43人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
「どうした?コウちゃん、席替えの依頼かい?」
「いや、そんなんじゃないけどちょっと気になってね」
「どっちが?」
「いや、どっちがってより田仲って普段は
全然愛想ないのに中邑と一緒の時はあんな顔で笑うんだな、と思ってさ」
「そんなに気になる?」
「いや別に」
「来月も隣にしようか?田仲さんと」
「いやいや勘弁してよ、身動き取れないんだから授業中」
「みんな少なからず洗礼を受けてるみたいだね
そろそろ本人に文句でも言ったら?」
「やめとくよ無駄な争いは。特に女子とは、ね」
翌月、また僕の後ろには浩子がいた
相変わらずの塩対応はそのままだった。
そしてこれは
絶対に智久が仕組んでいると思った。
女子に苦言を呈さない僕に
厄介者の浩子を押し付けているのだ、と。
もはや僕の中で、浩子が後ろの席なのは
智久の意図だとしか思えなくなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!