03. 悲夏

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遂に夏が来た クラスの男子は誰もが思っていた 夏までには、どうしても彼女がほしい!と そして男子がこぞって そんな目安に設定していた修学旅行は今月だ。 だがしかし、この日までに その目標をクリアできたのは祥二だけだった。 未だこのクラスでは 一組のカップルしか生まれていない。 逆に修学旅行がチャンスだった。 男子は虎視眈々とその機会を伺っている。 何かインパクトを残して 女子の注目を浴びたい、と言う安直な手段で。 その分、僕は平然としたものだった。 僕は歌うことが好きだった、 学校には内緒でバンド活動も始めていた。 音楽が好きで、バンドをやっていれば 必然的にモテるものなんだ、と 僕は勝手に思い込んでいた。 だが現実はそんなに甘いものではなかった。
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