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「姉さん、ゆり姉さん！おみくじやろう」
「まだ姉さんて呼ばれてる」
「ヒロシ！これ以上言ったら別れるよ！」
「あ、すみません、どうしても俺にとっては
姉さんなんだよなぁ」
「相変わらず尻に敷かれてるな」
「そんな高村先輩はどうなんすか？田仲先輩とは」
「オレは…浩子があんな風に楽しそうなら」
「大人っすねー、俺は『この日から付き合います』みたいな区切りがないとダメなタイプなんで」
「まあ、人それぞれだからな」
「俺からもよろしくお願いします、田仲先輩には世話になってるんで」
「ま、こればっかりは俺一人じゃどうにもならないし」
「高村先輩なら大丈夫っす！」
「さぁ、どうだろうね」
「何でも言うこと聞きそうだし」
「え、そっちかよ？」
「ゆり姉さんも前に『お似合いなのにね』って言ってたっす」
「お、おい！ヒロシ、その話ちょっと詳しく聞かせろ」
「…やっぱ、好きなんすね」
そして夕方になり更に人通りも増えてきたので
そろそろ帰ろうかと言う話になった。
「私、これから家族が迎えに来るからここで…」
美月が帰るのをみんなで見送ってから
僕たちも家路につくことになった。
ヒロシは由里と帰り、祥二も帰り
僕は浩子と二人。
「結局、いつもの組み合わせかぁ」
「イヤなの？独り占めだよ、アタシのこと」
「そうだね」
「もっと喜んでよ」
「正月から縁起がいいな」
「何それ」
「今年もいいことありますように」
「何てお願いしたの？初詣で」
「さあ」
「ちょっと、何にもしてないの？」
「そうだなぁ、何事も起きませんように、って」
「何か微妙」
「そうかな？何も悪いこと起きないのが一番だよ」
「起きないよ、悪いことなんて」
「それじゃ…」
「それじゃ…？」
僕はどうしても浩子に聞きたいことがあった。
答え次第ではこの場で僕の気持ちを伝えよう、
それくらいの決意を抱いていた。
かと言って、あまり深刻に聞くのも
どうかと思ったので
少しおどけた調子で切り出した。
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