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夏が終わっても僕の周りには
見慣れた男子の顔しかなく
僕はもちろんのこと、他にも
修学旅行をきっかけに生まれたカップルは
皆無だった。
とどのつまり、自分から
何かしらのアクションを起こさない限りは
事態は何一つ好転しないことを学んだだけだった。
そんな中、一人楽しそうに歌ってた
僕はまるでピエロだった…
そんな寂しい思いを抱えたまま
悲しくも虚しい夏が終わり
季節が変わろうとしていた
9月、新学期が始まって
またしても僕の後ろの席には
お決まりの浩子が陣取っていた。
席替えは相変わらず
智久が知略を巡らせていたのだろう、
浩子が後ろに座られると困る、と言う
僕の苦情は受け付けられなかったようだ。
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