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今月も隣の席を僕が望んだこと
それを知ってか知らずか
浩子の態度は相変わらずだった。
僕は僕で1日に数回ある
浩子との会話を楽しめればそれだけでよかった。
それが恋愛に発展しようともしなくとも
僕はこのぬるま湯のような環境を
持続していられたら、今はそれだけで満足だった。
その先のことなど考える余裕はなかった
そして、この気持ちは何だろうと考えてみた。
それはおそらくあまりにも
単純で、且つ短絡的ではあるものの
僕は少しずつ
浩子へ好意を持ち始めているのだと自覚した。
まさか
あの素っ気ない浩子に僕が恋をした?
自分でも信じられなかったが
心は正直だった。
その証拠に僕はこれまでより
学校へ行くのが楽しみになった。
教室に入れば隣にいつも浩子がいる、
そう思うと苦手な早起きも苦ではないと
感じ始めた。
かと言って、僕達の距離は
さほど縮まったわけではなかった。
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