05. 距離感

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今月も隣の席を僕が望んだこと それを知ってか知らずか 浩子の態度は相変わらずだった。 僕は僕で1日に数回ある 浩子との会話を楽しめればそれだけでよかった。 それが恋愛に発展しようともしなくとも 僕はこのぬるま湯のような環境を 持続していられたら、今はそれだけで満足だった。 その先のことなど考える余裕はなかった そして、この気持ちは何だろうと考えてみた。 それはおそらくあまりにも 単純で、且つ短絡的ではあるものの 僕は少しずつ 浩子へ好意を持ち始めているのだと自覚した。 まさか あの素っ気ない浩子に僕が恋をした? 自分でも信じられなかったが 心は正直だった。 その証拠に僕はこれまでより 学校へ行くのが楽しみになった。 教室に入れば隣にいつも浩子がいる、 そう思うと苦手な早起きも苦ではないと 感じ始めた。 かと言って、僕達の距離は さほど縮まったわけではなかった。
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