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今の席の配置がよほど心地よかったのか
クラスの誰もが
席替えをしようと言わなくなった。
今月から浩子は後ろの席ではなく僕と隣り合わせの席になった。
例の「椅子の件」による僕の苦言を
ようやく智久が受け入れてくれたのだろうか?
いや彼のことだ、
僕と浩子を隣にすることで
二人の関係性が進展するのを
遠巻きに眺めるつもりなのかも知れない。
そもそも席替えを希望していたのは
クラス内のごく一部の生徒だったから
依頼が無いのであれば
席替えの必然性は不要となるわけだ。
教室の真ん中辺り、後ろから3番目
僕の隣には浩子がいて、その隣には美月
美月の斜め前には由里
祥二も相変わらず由美子と隣の席
今やこれらの配置は人知れず指定席と化していた。
そんな「ある日」はあまりにも唐突にやってきた。
英語の授業中に
浩子は隣の席でうとうとと居眠りをしていた。
これまで知らなかっただけで
浩子は僕の後ろの席にいた頃から
こんな感じで時々居眠りをしているらしい。
僕は英語の授業が嫌いではない
それなりに真面目に話を聞いていた。
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