06. 融和揺籃

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中腰になっていた僕は慌てて再び席についた。 「さっきは助かった…よ、ありがと」 「ギリギリ、セーフだったね、よかった」 「…あんたってさ」 「何?」 「ちょっと、いいヤツだよね」 「そう?…『ちょっと』…だけ?」 「でも…ありがと」 「あ…うん、ま、これからもこう言う時はさ…」 「よろしくね」 「お互いに」 「アタシはやだ」 「冷たいなぁ」 「ふふふ」 この休憩時間で初めて 浩子と長めに話をする事ができた。 確かにこれまで何度か話したことはあったが こんなに気さくな感じではなかった。 僕は周りの視線が気になり 辺りをきょろきょろと見渡したが この様子に気づいた人は 皆無だった…はずだ。
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