07. 接近~アプローチ~

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その後は思いの外、会話が弾み 気が付けば時計の針は19時になろうとしていた。 「そろそろ出よっか」 「うん」 店の外は少し夕陽が傾きかけていて 下校する生徒達の姿もまばらになっていた。 ようやく僕たちは 周りの視線を気にする必要もなくなり 気づけば二人並んで歩いていた。 「家まで送って行こうか?」 「あ、いいよ…ここでいいよ」 「そう?でも、もう暗くなるよ」 「じゃ、あの向こうまでお願い」 「意味深」 「何がよ」 「じゃあさ、あの鉄橋のとこまでね」 「うん」 僕たちは川沿いの土手を 自転車を押しながら二人で歩いた。 いつしかお互いのその歩幅は 少しずつゆっくりになり まるでこの至福の時間が終わるのを 惜しんでいるかのようだった。 そう思っているのが僕だけでなく 浩子もそうであってほしい、 そんなことを考えていたせいか ここに来て僕たちは沈黙が続いていた。
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