07. 接近~アプローチ~

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しばらく会話が途絶え 何でもいい、話をしなければと思った その時 「タカムラ…」 「…浩子」 同じタイミングだった。 「タカムラ、今日はありがと」 「こちらこそ」 「何かさ…改めて言うのも何だけど」 「これからもよろしく…って?」 「そっ…ま、仕方ない、よろしくね」 「仕方ないんかーい?」 「じゃいいよ、よろしく」 「何かさ、あの頃から考えると…」 「あの頃って?」 「1学期の最初らへん」 「あぁ」 「今のこの状況って、不思議だよね」 「そぅ?」 「このまま1年間、椅子の上に足置かれてさ」 「ぷっ!まだ言う?その話」 「それでこの1年が終わるのかと思ってた」 「そんなの、もう…忘れてたよ」 話題なんて何でもよかった いつの話でもよかった 僕はただ隣で笑う浩子を見ていたかった。
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