42人が本棚に入れています
本棚に追加
一人の帰り道で
今日の事を色々思い出そうとしていたが
唯一鮮明に覚えていたことは
並んで歩いていた浩子の右肩が時々軽く当たる、
その感覚を
僕の左肩が覚えていただけだった。
僕自身、それほどまでに
舞い上がっていたのだろう。
「また行きたいね」
本当はそう言いたかった。
でも僕の切り出した「また…」を
ただの挨拶だと思ったのか
意図的に遮ったのか
浩子からは
「また明日ね」と言われただけだった。
それでもこうして
二人だけしか知らない時間を過ごした事で
僕にとっての「明日」の意味は
これまでとは違うニュアンスに感じられた。
最初のコメントを投稿しよう!