07. 接近~アプローチ~

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一人の帰り道で 今日の事を色々思い出そうとしていたが 唯一鮮明に覚えていたことは 並んで歩いていた浩子の右肩が時々軽く当たる、 その感覚を 僕の左肩が覚えていただけだった。 僕自身、それほどまでに 舞い上がっていたのだろう。 「また行きたいね」 本当はそう言いたかった。 でも僕の切り出した「また…」を ただの挨拶だと思ったのか 意図的に遮ったのか 浩子からは 「また明日ね」と言われただけだった。 それでもこうして 二人だけしか知らない時間を過ごした事で 僕にとっての「明日」の意味は これまでとは違うニュアンスに感じられた。
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