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少しは距離が縮まったかのように感じたが
特別、親しく話すわけでもない。
「おはよう」
「おはよ」
「宿題した?」
「英語、ノート見せてよ、訳してないから」
「無料で?」
「当然でしょ、早く」
逆にこれが浩子だから、と僕自身も
その言動に対して何の違和感もなくなっていた。
彼女と会話をしているクラスの男子生徒は
僕以外には皆無だったから
例え、時に冷たくあしらわれようとも
浩子と「会話」していることに対して
妙な優越感があったのだろう。
そしてひとつ大きく変わったこと
それは以前のようなまるで能面のごとく
無感情な浩子ではなくなっていた
この事はここ数ヶ月での大きな変化だった。
きっと浩子は元々は例え愛想はなくとも
このように気さくな性格だったのだろう。
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