09. 季節外れの

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天気がよかったからか、この日僕たちは ベランダで会話をしていた。 男子も女子も関係なく数人で のんびり外を眺めながら。 「あ!」 由里が大きな声を上げた。 ベランダの脇に何かが貼りついていた。 近寄って確認するとそれは 1匹のかたつむりだった。 「また随分季節外れな…」 「生きてる?」 由里が怪訝そうな顔で覗き込む。 「多分ね、乾燥してる時期はこうやって雨を待ってるんだろうね」 「化石みたい」 「持って帰る?」 「きゃー!」 僕と由里がふざけているその隣で 浩子と美月が話していた。
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