10. 誕生日

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おそらくこのメンバーの中に 実優がいたのに気づいたトモキは そそくさと帰ったのかも知れない。 それとも浩子がいたから? その可能性も考えられる。 「さあね?いるかもね」 「ま、どうでもいいんだけど」 浩子はこの後も トモキの事についてはこれ以上触れなかった。 どちらかが何かを知ってるのでは?と 僕は思った。 僕と浩子の距離が縮まることを望むトモキ、 トモキと距離を置こうとする浩子。 あの時、トモキは話をはぐらかしたが きっと浩子の過去について 何か知っているのだろう。 そこに触れられたくないから 今日は避けて帰ったのか? それとも… 深く考えるのはやめることにした。 僕は浩子との「スープの冷めない距離」が 心地よかったから 知ってしまうことでそれを敢えて崩す必要はない そう自分に思わせるようにしていた。
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