42人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうなんだ、美月は知ってた?」
「知らないよ、今は高村くんのことなら浩子の方が詳しいんじゃない?」
「…そんなことないよ」
「実優ちゃん、あいつさ…」
「ん?」
「何か、いいヤツだよね」
「そうだね」
「バカだけど」
「うん、そうだね」
「そこ、否定しないの?」
「だって…バカだもん、バカだよぉ、色んな意味で」
「はは、わかる」
「そうだ、浩子ちゃん知ってる?高村くんは…
あ、でもこれ話すと怒られるかな…」
「え?何の話?」
話を遮るようにサキが割り込んできた。
「高村くんとはサキも中学同じだったから
たまに話すよ、釣りのこととか」
「え!サキちゃんて釣りするの?」
「うん」
「美月はそっちに驚いてるし」
さすがに女子が5人集まるとにぎやかだ。
しかし彼女たちの会話の中に
僕の名前が出ていた事などは
知るよしも無かった。
最初のコメントを投稿しよう!