11. 生誕祭

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そして普段あまり話す機会がない女子ですら 割りと僕を知ってることに驚いた。 「女子のネットワークってすごいね」 「侮るべからず、みんなあんたの悪口言ってるよ」 「うそ?」 「うそだよ」 「あと、知っててもここでは言わないこともあるしね」 そんな優果の言葉には重みがあった。 「そうそう、女子の世界は何かと面倒だから」 「そんな由里ちゃんも女子なのに?」 「わ、私は男子みたいなもんだし、性格が」 「うん」 「うん」 「そこ、全員が全肯定?」 学校のクラスの言うのは まるでちょっとした社会の縮図のように感じる。 いつしか僕もその中の一人として 話題に上がる機会があったようだ。
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