12. 約束

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「浩子、色々あってさ、昔」 「そうなんだ?」 「私も色々あってね」 「生きるって大変だね」 「ははは、まだそんなに長く生きてないよ」 「でもね…」 「うん」 「何かがんばれそうな気がしてるんだ」 「それはよかった」 「高村くんて…いい人だよね」 「よく言われます、いい人どまりだけど」 「ははは、でもほんとにそう思った。だってあの浩子を…」 「え、どうしたの?」   「浩子をまた…笑えるように…して、あげ…」 「え?大丈夫?」 美月は泣いていた。 そのあまりにも唐突な涙の意味が 僕にはわからなかった。
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