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「浩子、色々あってさ、昔」
「そうなんだ?」
「私も色々あってね」
「生きるって大変だね」
「ははは、まだそんなに長く生きてないよ」
「でもね…」
「うん」
「何かがんばれそうな気がしてるんだ」
「それはよかった」
「高村くんて…いい人だよね」
「よく言われます、いい人どまりだけど」
「ははは、でもほんとにそう思った。だってあの浩子を…」
「え、どうしたの?」
「浩子をまた…笑えるように…して、あげ…」
「え?大丈夫?」
美月は泣いていた。
そのあまりにも唐突な涙の意味が
僕にはわからなかった。
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