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翌日、浩子は僕が教室に入ると
興味津々にこう尋ねてきた。
「どうだった?」
「何が?」
「美月」
「あ、無事に送り届けたよ、家まで」
「じゃなくて!」
「何?」
「こう何て言うかさ、後ろからギュっとして
バッとなって、いや~ん!みたいなのはなかったの?」
「何でやねん、あるわけないって!」
「何にもなかったのか、つまんないの~」
「人をケダモノみたいに…」
「あれ、人間だった?」
「昔から人間です」
浩子がこんな冗談を言うなんて
珍しいな、と思った。
昨日の美月の言動にせよ今日の浩子にせよ
女子の内面はいつでも複雑怪奇だ、
全く予測がつかない。
一体、僕のどのような発言に
期待していたのだろうか?
仮に何かあったことを告げたら
浩子はどういう反応をするのか、には
少々興味はあったが
そんなことを冗談でも口にする勇気はなかった。
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