13. レジスタンス

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美月にしろ浩子にしろ 何かしら意図があっての行動だろう。 言い換えれば 何気ないサインや合図に気づかない僕が どれだけ愚鈍なのだ、と言うことになる。 「で?いつやんの?」 「何を?」 「ライブ」 「来てくれる?」 「わかんない」 「クリスマスくらいに出来たらいいかな」 「美月には話したの?」 「あ、昨日の帰り道でちょっとその話を」 「アタシよりも先に?」 「そうだけど」 「ふ~ん」 その時、何故か一瞬 浩子の表情が曇った気がした。 結局この日、これ以降僕たちは会話がなかった。 特に気まずい雰囲気になったわけではないが どことなく浩子から話しかけづらい空気が 漂っていた。
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