14. 過信

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「おめでとう」 久しぶりに浩子から笑顔で話しかけられて 不意をつかれた僕は いきなりそう答えてしまった。 「人の聞いてた?来月だってば!」 「あ、そうだった」 「ま、いいけどさ」 「お祝い、してあげよっか?」 「別に」 「一応さ、先月…」 「その節はごちそうさま」 「あ、そうだった、今度は…」 「やだよ、アタシの誕生日なんだから」 「言うと思った」 「どうしても、って言うなら…」 「出た、得意技の『どうしても』」 「バカ」 「『バカ』多いなあ、今日も」 「バカだもん」 最終的にはうやむやに終わってしまったが 久しぶりに浩子といつもの調子で話せた事で 何だか気持ちも軽くなった。
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