14. 過信

4/4
前へ
/317ページ
次へ
浩子の本当の気持ちは知らないし 聞こうとしたこともない。 仮に聞いたところで 素直に教えてくれる浩子ではないことくらい ここ数ヶ月のやり取りで身に染みて感じている。 そして、そうすることで今の状況が 全て無になることを恐れていたのだろう。 そして何よりも今の自分の気持ちが… わからない。 僕は迷っていた。 自分の気持ちが今、どこにあるのか? 僕と浩子との距離はどれくらいの間隔なのか? そして浩子の気持ちは? それを思うとやるせない思いになり 気持ちが落ち着かない日々が続いた。 そんな矢先の事だった 一人の帰り道 誰かに後ろから声をかけられた。 「高村くん!」 声の主は由里だった。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加