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浩子の誕生日当日
僕はかなり浮かれていたはずだ。
何だかそわそわして授業も手につかず
今日は何を話そうか?
そんな事ばかり考えていた。
「英語!ちょっと、英語のノート貸して!」
「また?」
「早く!休憩時間終わる!」
隣の席の浩子は相変わらず
こんな感じだったけど。
今回も教室を出るまでは別行動で現地集合だ。
既にこの状況をいぶかしがっている
クラスメイトもいるようだが
僕たちは決して付き合っている訳ではないし
浩子の性格的にこの曖昧な状況を
悟られたくないだろうと思ったからだ。
授業が終わり
僕ははやる気持ちを抑えきれずに
慌てて駐輪場へ駆け出した。
教室に浩子の姿はなかったので
まだのんびり準備でもしているのだろうと
勝手に思い込んでいた。
大急ぎで待ち合わせ場所へ向かおうとした
そんな僕の視線の先、校門のあたり
飛び込んだ来た光景を見た
その時
一瞬、息を飲んだ…
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