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もう外は真っ暗だった。
何で、あんな光景を見せられた後なのに僕は
浩子との思い出が残る場所にいるのだろう?
今頃浩子は待ちくたびれているのだろうか?
それとももう怒って帰ってしまっただろうか?
いや、そんな事はないだろう…
もしかしたら来ていなかったかも知れない
逆に僕がすっぽかされて
待ちぼうけ、なんてのがオチに決まっている。
もしかしたら今頃はあの男と…
思い出すだけで失望感でいっぱいになった。
とても家に帰る気持ちにはなれない。
ぼんやりと一人、
虚ろな表情で土手に腰かけていると
突然後ろから声をかけられた。
「高村くん!何してんの? こんなとこで!」
声の主は由里だった。
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