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「あ、由里ちゃん…」
「『あ、由里ちゃん…』じゃないよ!浩子は?
一緒じゃないの?」
「あ、もう浩子は…」
「もしかしてずっとここに?あんなに楽しみにしてたのに、浩子…」
その時、後ろから声がした。
「ゆり姉さーん、どうしたんですかー!急に走り出して…」
こんな時に男の声なんて聞きたくない
勘弁してくれ、と思いながら顔を上げた時
「あれ?」
「え?どうしたんすか?」
「いや、どこかで…あーっ!思い出したぞ、
お前!お前だろ!浩子と一緒にいただろ?」
気がつけば僕は
僕よりも随分背が高い彼の胸ぐらを掴んで
地面に押さえつけ馬乗りになっていた。
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