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彼は僕に押さえつけられたまま答えた。
「あ、どうも高村先輩」
「よっ!…って君は誰だ?」
「岩田ヒロシです!後輩なんです、中学の頃から
田仲先輩の…僕バスケ部なんです」
道理で背が高いわけだ
身長では僕よりも10センチ近く高い
そんな彼を
意図も簡単に地面にねじ伏せてしまった僕は
よほど激昂していたのだろう。
「うーん、事態が飲み込めない」
僕はヒロシの手を引いて起こしながら
話の続きを聞いた。
「もしかして校門のとこで田仲先輩といたのを見たんですか?」
「そうだよ」
「あの時、田仲先輩と一緒にゆり姉さんに会いに行くとこだったんです」
「ちょっと!『ゆり姉さん』ってのやめてくれる?」
「早速尻に敷かれてるみたいだなぁ」
「高村くん、うるさいよ!」
ヒロシが言うには、浩子から由里を紹介され
校門で待ち合わせて
由里と対面するつもりだったらしい。
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