18. 早計

4/7

42人が本棚に入れています
本棚に追加
/317ページ
彼は僕に押さえつけられたまま答えた。 「あ、どうも高村先輩」 「よっ!…って君は誰だ?」 「岩田ヒロシです!後輩なんです、中学の頃から 田仲先輩の…僕バスケ部なんです」 道理で背が高いわけだ 身長では僕よりも10センチ近く高い そんな彼を 意図も簡単に地面にねじ伏せてしまった僕は よほど激昂していたのだろう。 「うーん、事態が飲み込めない」 僕はヒロシの手を引いて起こしながら 話の続きを聞いた。 「もしかして校門のとこで田仲先輩といたのを見たんですか?」 「そうだよ」 「あの時、田仲先輩と一緒にゆり姉さんに会いに行くとこだったんです」 「ちょっと!『ゆり姉さん』ってのやめてくれる?」 「早速尻に敷かれてるみたいだなぁ」 「高村くん、うるさいよ!」 ヒロシが言うには、浩子から由里を紹介され 校門で待ち合わせて 由里と対面するつもりだったらしい。
/317ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加