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約束の時間からもう3時間が過ぎていた。
当然ながらそこに浩子の姿はなく
僕はうなだれて家路に向かったが
どうしても家に帰る気にはなれなかったので
またさっきの場所へ戻っていった。
いつしか雨が降り始めた。
傘なんてなかったけど
もうそんなのはどうでもよかった。
ふと我に返ったら、自分の部屋に戻っていた。
ずぶ濡れの制服のまま横になると
そのまま眠ってしまい
夜中にとんでもない悪寒がして目が覚めた。
これも浩子をすっぽかした罰なんだろう、
そう思いながらそのまま意識を失った。
次に目覚めた時、
まず視界に入ったのが真っ白な天井だった
気づけば僕は
病院のベッドの上で点滴を受けていた。
「世話の焼ける子やなぁ、ほんまに」
隣には母親が座っていた。
浩子の件であまりのショックだったからか
雨に打たれて濡れたまま寝たからか
僕はとんでもない高熱に冒されて
病院に運ばれていたらしい。
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