うつり木 9

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うつり木 9

黒木悟。彼の名前だ。 沙織は悟と何度か話すうちに、悟の父も祓う力があり、政府筋の仕事も受ける実力者だったと。 今でも思い出す、真夏の喫茶店でアイスカフェを飲みながら自分の全身に鳥肌が立った瞬間を。「傀儡」悟は確かにそう言った。凄まじい念と呪いの呪物に襲われた一家の話しを。 そして悟の父は自らの命を賭してその呪いを封印した。だから自分にもその血が流れていて、父には反対されたが自ら祓い師になったと。そして、祓う代償の恐ろしさも分かりやすく説明してくれた。
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